甲斐犬の食事選びに「これが正解」というものはなく、年齢や体質、生活スタイルによって選ぶフードは変わりますが、ここで紹介する3銘柄は実際に甲斐犬やぶが使用して良かったものになりますので、参考にしていただけると幸いです。
なお、この記事では、ネット上のランキングや口コミではなく、甲斐犬やぶの飼い主が実際に食べさせてきた3銘柄(ロイヤルカナン → ペットカインド → カナガンサーモン)について、それぞれを選んだ理由と実際の印象を、飼い主目線で詳しく紹介しています。
甲斐犬やぶの基本情報
まずはこの記事の主役、甲斐犬やぶの基本情報を簡単に紹介します。
| 項目 | 内容 |
| 性別・生年月日 | ♂・2023年3月31日生まれ |
| 体重 | 約15kg |
| 居住 | 東京都内のマンション |
| 持病 | てんかん(2024年7月発症・現在は薬で管理) |
| 食事の特徴 | 噛まずに丸呑みする傾向あり |
「噛まずに丸呑みする」というのは、後で出てくるフード選びにも関係している大事な特徴です。
DHA・EPAとは|犬の健康における役割
「DHA・EPA」という言葉は、やぶがてんかんを発症してから初めて意識するようになりました。簡単に整理しておきます。
DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)は、オメガ3脂肪酸の一種で、主にサーモンやイワシなどの魚に多く含まれる成分です。犬の体内では十分に作れないため、食事から摂る必要があるとされています。[1]
近年、犬のてんかんとDHAの関係について研究が進んでいます。東京大学の研究グループは、特発性てんかんの犬に高用量のDHAを与えると、発作頻度が減る可能性を報告しています。[1][2]
ただ、ここで大事な注意点があります。
- 研究で報告されている効果はDHAのサプリメント投与(高用量)の話で、フード単体で治療量を満たせるわけではありません
- ドッグフードはあくまで「日常の食事」として、栄養バランスを整える役割が中心
- てんかんの治療は獣医師の処方薬が前提で、食事は補助的な位置づけ
うちのやぶも、てんかんの治療は薬(エピレス)で行っており、食事はあくまで「日常の体づくりを支えるもの」として見直しました。
※本記事は飼い主の個人的な体験を共有するもので、特定のドッグフードによるてんかんの治療・予防効果を示すものではありません。愛犬の食事や治療については、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
甲斐犬やぶの食事遍歴
ここから、やぶが実際に食べてきた3銘柄について、選んだ理由と実際の印象を順に紹介していきます。
① 子犬期〜成犬期:ロイヤルカナン(月齢に合わせて切り替え/2023年5月〜2024年7月)
やぶを迎えたのは2023年5月でした。ブリーダーから引き渡される時に「これを食べさせてあげてね」と渡されたのが、ロイヤルカナンの子犬用フードでした。その後も同じロイヤルカナンのシリーズ内で、やぶの月齢に合う商品に切り替えながら使っていました。
<画像挿入予定: ロイヤルカナンのパッケージ・子犬期のやぶ>
選んだ理由:ブリーダーから引き継いだから
ロイヤルカナンを選んだ理由はシンプルで、ブリーダーが使っていたからです。
子犬を迎えてすぐの環境変化はそれだけでもストレスになるので、食事まで急に変えるのは避けたいところ。ブリーダー指定のフードをそのまま継続するのは、子犬の体調を安定させる上でも理にかなった選択だと思います。その上で、ロイヤルカナンは月齢・ライフステージ別のラインナップが他に比べても豊富なので、同じシリーズ内でやぶの成長に合わせてフードを選べるのはありがたいと感じていました。
やぶの様子(食いつき・うんち・体調)
ロイヤルカナン期のやぶの様子はこんな感じでした。
- 食いつき:良好。残すことなく食べてくれた
- うんち:良好。形状・回数ともに安定
- 体調:良好。特に問題なし
特に大きな不満もなく、約1年2ヶ月(てんかん発症前まで)使い続けました。
② てんかん発症後:ペットカインド トライプドライ(2024年7月〜2026年4月)
2024年7月27日、やぶがてんかん発作を起こして発症が分かりました。深夜に救急で動物病院に搬送し、その後は薬での治療が始まりました(てんかん発症時の経緯や治療費の詳細は、別記事「犬のてんかん治療費はいくら?甲斐犬飼い主が発作動画と医療費を公開」で書いています)。
少し落ち着いてから、食事も改めて考え直す時間ができました。
<画像挿入予定: ペットカインドのパッケージ>
選んだ理由:DHA・EPAを意識して
色々と調べる中で、犬のてんかんとDHAの関係について書かれた情報をいくつか目にしました。研究レベルでもサーモン由来のオメガ3脂肪酸が話題になっていると知り、まず食事面でできることはやってみようと思ったんです。
そこで選んだのが、ペットカインドのトライプドライ(グリーントライプ&ワイルドサーモン)でした。
決め手は次の3つです。
ペットカインドの公式情報によると、オメガ3脂肪酸は1.5%以上含まれているとのことでした。[3]
やぶの様子
ペットカインド期のやぶの様子は以下の通りです。
- 食いつき:良好
- うんち:良好。グリーントライプの効果か、お腹の調子は安定
- 体調:良好
約1年9ヶ月、ペットカインドを使い続けました。
③ 直近:カナガン サーモン(2026年4月〜現在)
ペットカインドに大きな不満はなかったのですが、直近でカナガン サーモンへ切り替えました。
<画像挿入予定: カナガンサーモンのパッケージ>
切り替えた理由|成分と相性で選んだ
「ペットカインドで満足してたのに、なぜ切り替えたの?」と聞かれそうなので、選んだ理由を3つに整理して紹介します。
理由1:オメガ3配合量がさらに多かった
カナガン サーモンのオメガ3脂肪酸は2%と公表されています。[4] ペットカインドが1.5%以上だったので、約33%増。
一般的なドッグフードのオメガ3含有量は1%前後と言われている中で、2%はかなり高水準です。[5]
てんかん発症後にDHA・EPAを意識するようになっていたので、「もっと積極的に摂れるフードに切り替えたい」という気持ちと、自然と噛み合いました。
理由2:主原料が魚由来でシンプル
カナガン サーモンは、主原料が生サーモン30.5%・乾燥ニシン・乾燥白身魚14.2%・生マス6.6%・乾燥サーモン5%・サーモンオイル2%と、ほとんどが魚で構成されています。[4]
ペットカインドはラム胃+サーモン+七面鳥ミールという複数の動物性タンパク質のミックスでした。これはこれで悪くないのですが、「DHA・EPAをしっかり摂りたい」という方針なら、原材料を魚に絞ったほうが分かりやすい、と思ったんです。
カナガン サーモンは動物性タンパク質の約60%が魚由来[4]で、方針がはっきりしているのが個人的には好みでした。
理由3:粒のサイズも食べやすい形状
やぶは噛まずに丸呑みする傾向があります。丸呑み自体は犬の習性で基本的に問題ないと獣医師の見解にもありますが[8]、ペットカインドの通常サイズは比較的大きめだったので、喉に詰まらないか、もう少し小さい粒の方が食べやすそう、という気持ちはありました。
カナガン サーモンは直径1cm弱のドーナツ型で、丸呑みする子でも食べやすい形状です。
「ペットカインドにも小粒タイプがあるけど?」と思う方もいるかもしれません。確かにあります。ただ、小粒にするだけだとオメガ3配合量や原材料の方向性は変わらないので、せっかく見直すなら成分も含めて再選択したい、と思って結果的にカナガンに切り替えました。
やぶの様子(切り替え1ヶ月時点)
切り替えてまだ約1ヶ月ですが、現状は順調です。
- 食いつき:良好
- うんち:良好
- 体調:良好。今のところ違和感なし
長期的にどうなるかは、これからも観察していくつもりです。
甲斐犬の食事遍歴のまとめ
ここまでの3銘柄を一覧で整理するとこうなります。
| 時期 | 銘柄 | 選んだ理由 | 期間 |
| 子犬期(2023年5月〜2024年7月) | ロイヤルカナン(月齢に合わせて切り替え) | ブリーダーから引き継いだ | 約1年2ヶ月 |
| てんかん発症後(2024年7月〜2026年4月) | ペットカインド トライプドライ(グリーントライプ&ワイルドサーモン) | サーモン由来のDHA・EPAを意識 | 約1年9ヶ月 |
| 直近(2026年4月〜現在) | カナガン サーモン | オメガ3配合がさらに多い・魚主体・粒も小さい | 約1ヶ月(継続中) |
ドッグフードを切り替えるときに気をつけたこと
3銘柄を切り替えてきた中で、毎回気をつけてきたことがあります。
- 7〜10日ほどかけて、旧フードに新フードを少しずつ混ぜながら移行する[6]
- 切り替え期間中は、うんちの状態と食いつきを毎日チェック
- お腹を壊しやすい場合はもっとゆっくり進める
これは一般的に推奨されている方法で、急な切り替えはお腹を壊す原因になるとされています。[6]
うちの場合は、ペットカインド → カナガンの切り替え時も7日ほどかけてゆっくり混ぜていきました。お腹を壊すこともなく、スムーズに移行できました。
3銘柄を振り返って|それぞれの魅力
ここまでで紹介した3銘柄は、すべて1年以上、または現在進行形でやぶに使い続けてきたフードです。振り返ると、どれもそれぞれの良さがありました。
ロイヤルカナンは、月齢・ライフステージ別のラインナップが豊富で、子犬を迎えてから成長に合わせて同じシリーズ内で切り替えられたのがありがたかったです。これから子犬を迎える方には、まず候補に入れても損はないと思います。
ペットカインド トライプドライは、第一主原料のラム胃(グリーントライプ)とワイルドサーモンを中心に、グレインフリーで原材料がシンプルな点が魅力でした。食事の中身にこだわりたい方には合うと思います。
カナガン サーモンは、主原料の60%以上が魚由来でオメガ3配合量も2%と高水準。粒のサイズも丸呑みしやすいドーナツ型で、現在のやぶにはとても合っています。
3銘柄とも、やぶの食いつき・うんち・体調すべて問題なく、うちのケースではどれも選んで良かったフードでした。今食べているカナガン サーモンも続けていく予定ですが、ペットカインドの良さも改めて感じていますし、子犬期にロイヤルカナンを選んで良かったとも思っています。
愛犬の年齢や体質、生活スタイルを見ながら、選ぶ参考にしてもらえれば嬉しいです。
まとめ|甲斐犬やぶの食事遍歴で大事だったこと
甲斐犬やぶの食事遍歴を振り返って、大事だったポイントは以下の通りです。
- 子犬期はブリーダー指定のロイヤルカナンを継続し、その後も月齢に合わせて同シリーズ内でフードを切り替えていった
- てんかん発症後、DHA・EPAという栄養素の存在を知り、サーモン入りのペットカインドに切り替えた
- 直近はオメガ3配合量・主原料・粒のサイズの3点で、カナガン サーモンに切り替え
- 切り替えは必ずゆっくり、お腹の様子を見ながら
甲斐犬の食事に「これが正解」というものはなく、年齢・体質・生活スタイルによって選ぶフードは変わります。
何より大事なのは、愛犬の様子をよく観察することと、迷ったら獣医師に相談すること。この記事が、甲斐犬の食事選びで悩んでいる飼い主さんの参考になれば嬉しいです。
よくある質問(FAQ)
Q. ドッグフードを切り替えるときの注意点は?
急に切り替えるとお腹を壊すことがあります。7〜10日ほどかけて旧フードに新フードを少しずつ混ぜていく方法が一般的に推奨されています。[6] お腹を壊しやすい子はもっとゆっくり進めましょう。
Q. DHA・EPAはどれくらい摂ればいい?
日常のフードでは「総合栄養食」を選んでいれば必要量はおおむね満たされます。研究で報告されている高用量DHAの効果はサプリメント水準の話で、フード単体では治療量を満たすのは難しいです。[1] 持病がある場合は獣医師に相談してください。
Q. 子犬期のフードはどう選べばいい?
ブリーダーやペットショップから引き継いだフードをそのまま継続するのがおすすめです。環境変化が大きい時期なので、食事まで急に変えるとストレスになりやすいです。落ち着いたタイミングで切り替えを検討しましょう。
Q. グレインフリーは必要ですか?
食物アレルギーが疑われる場合などは選択肢になりますが、すべての犬に必須ではありません。FDAがグレインフリーフードと拡張型心筋症(DCM)の関連について調査を継続している点も知られています。[7] 不安な場合は獣医師に相談しましょう。
Q. 甲斐犬の1日の食事量はどれくらい?
体格・年齢・運動量によって変わりますが、うちのやぶ(約15kg・成犬)の場合は1日約240gを2回に分けて与えています。散歩多めの日は少し増量しています。フードのパッケージに記載の給餌量を起点に、体型と便の状態を見て調整するのがおすすめです。
参考・出典
- 東京大学農学生命科学研究科「犬の特発性てんかんの抑止にドコサヘキサエン酸が効く」
- PMC「Effects of high-dose docosahexaenoic acid supplementation」(2023)
- ペットカインド公式「グリーントライプ&ワイルドサーモン」
- カナガン公式「カナガンドッグフード サーモン」(販売元:レティシアン)
- ones.dog「カナガンドッグフード サーモンの口コミ」
- WIZOO「ドッグフードの切り替えの目安」
- FDA「Investigation into Potential Link between Certain Diets and Canine Dilated Cardiomyopathy」
- hotto「【獣医師監修】犬が食べ物を噛まずに丸呑みしても大丈夫?」
